不動産賃貸業・管理業で年収を上げるなら、宅建士資格が必須な理由
賃貸・管理会社で働く方の年齢別年収データと宅建士資格の必要性を、法令・実務ベースで詳しく解説。あなたの年齢層での年収相場を確認して、キャリアアップの戦略を立てましょう。
①不動産賃貸業・管理業とは(PMとBMの定義と違い)
不動産賃貸業・管理業の現場では、2つの異なる職種が存在します。
PM(プロパティマネジメント)= 賃貸管理
- 募集管理:物件の掲載、内覧対応、申込受付
- 契約業務:重要事項説明、契約書作成・締結
- 入居者管理:入居者サポート、トラブル対応
- 更新・解約:契約更新手続き、退去処理
- 家賃管理:請求、督促、滞納対応
- オーナー報告:売上報告、書類作成
→ 宅建士の必要性:法律で必須。重要事項説明と契約書への記名・押印には、宅建士資格が絶対に必要です。
BM(ビルマネジメント)= 建物管理
- 設備点検:エレベーター、給水・排水、電気
- 定期保守:清掃、害虫駆除、消防設備検査
- 修繕計画:劣化箇所の把握、修繕スケジュール作成
- 大規模修繕:施工業者との調整、工事管理
- 管理組合対応:組合会議での説明、報告書作成
→ 宅建士の必要性:法律では不須。しかし実務上、法律知識があると圧倒的に有利。
💡 PM と BM、どちらが年収が高い?
一般的に PM(賃貸管理)の方が年収が高い傾向があります。理由は:
- 営業要素が強く、成果(契約数)で給与が増える
- 宅建資格が法律で必須なため、求人が多く、引き合いも強い
- 昇進時に「責任者(営業所長など)」へのパスが広い
ただし BM × 宅建 の組み合わせは、修繕計画やオーナー対応で大きな武器になります。
②PM(賃貸管理)で宅建士が必要な理由(法令ベース)
PM(賃貸管理)の場合、宅建士資格は「法律で必須」です。詳しく解説します。
📋 宅建業法に基づく3つの独占業務
| 独占業務 | 内容と理由 |
|---|---|
| 重要事項説明 | 契約前に、入居者に対して物件の重要事項(立地、設備、禁止事項など)を口頭で説明することが法律で義務付けられています。宅建士以外は行えません。 |
| 35条書面への 記名・押印 |
重要事項説明書に宅建士が記名・押印することで、その説明が適正に行われたことを証明します。これは法律で定められた要件です。 |
| 37条書面への 記名・押印 |
賃貸借契約書に宅建士が記名・押印。契約内容が法律に適合していることを保証します。 |
PM業務フローと宅建士が介在する場面
【1. 募集~申込】
物件情報の掲載、内覧受付までは宅建士がいなくても可能。しかし信頼を得るため、早期から「宅建士在籍」であることを示すことが重要。
【2. 申込から契約前】
入居審査、書類確認。ここで契約に関する法的な確認が始まります。宅建士は民法や借地借家法の知識で、オーナーの要望が法的に実行可能かを判断します。
【3. 重要事項説明~契約締結】 ← 【宅建士必須】
宅建士が重要事項説明書を作成し、入居者に説明。その後、契約書を交わし、35条書面・37条書面に記名・押印。これがなければ契約は法的に無効になる可能性があります。
【4. 入居~更新】
契約期間中の管理。更新時には再度重要事項説明と契約更新書への記名・押印が必要です。
【5. トラブル対応~退去】
トラブル(家賃滞納、騒音、退去時の原状回復など)が発生した時、宅建士は契約内容と法律に基づいて対応。入居者との紛争を回避し、オーナーを守ります。
宅建士がいることで、会社とオーナーが得られるメリット
- 法的リスク低減:不当な特約や違法な条件を事前に排除。訴訟リスクが減る
- 入居者の信頼向上:「宅建士による正式な説明」が入居者の安心につながる
- オーナー満足度向上:法的に適切な契約と丁寧な対応で、オーナーからの信頼が厚くなる
- トラブル時の対応力:法律に基づいた対応で、迅速かつ適切に解決
- 会社の評判:「宅建士が常駐」という表記で、顧客からの信頼が増し、営業力も高まる
③BM(建物管理)で宅建士が"推奨される"理由(実務ベース)
BM(建物管理)の場合、法律上は宅建士が必須ではありません。しかし、実務では非常に価値があります。
🏢 BM現場で宅建が役に立つ場面
【1. 管理組合対応】
マンション・アパートでは、入居者で構成される「管理組合」があります。BM担当者は定期的に組合会議に出席し、修繕計画や予算について説明します。区分所有法や管理組合の運営ルールを理解していると、説得力が増します。
【2. 修繕計画の説明】
「なぜこの時期に修繕が必要か」「法律的に何年ごとに点検が必要か」を説明するとき、宅建で学ぶ建築基準法や消防法の知識が役立ちます。入居者の納得度が高まり、修繕費用の承認が取りやすくなります。
【3. 小規模管理会社でのPM兼務】
特に小規模な管理会社では、PM(賃貸管理)とBM(建物管理)を同じ人が担当することが多いです。この場合、宅建士資格は必須になります。
【4. オーナー折衝】
大規模修繕や問題が発生した際、BM担当者がオーナーと直接話す機会があります。法律知識があると、「このような状況では、法的には〇〇を検討すべき」という提案ができ、プロフェッショナルとしての評価が高まります。
💡 BM × 宅建がキャリア上の大きな武器になる理由
「建物管理の実務知識 + 法律知識」という稀少な組み合わせになるため:
- 給与交渉で有利(「資格手当」や「専門職登用」が認められやすい)
- キャリアパスが広がる(BM統括、AM(アセットマネジメント)へのステップアップが可能)
- 他社への転職時に強い実績になる
④年齢別の賃貸管理業の年収データ(あなたの年代は?)
賃貸・管理会社で働く方の年齢別年収を確認することで、現在地を知り、キャリアプランが立てやすくなります。
💡 重要:以下のデータは、あくまで業界平均です。実際の年収は、会社規模、地域、個人の成績、資格保有によって大きく異なります。
📊 あなたの年代をクリックして確認
⑤年収の伸びと宅建保有の相関
年齢と共に年収が上がるのは自然なことですが、宅建士資格の有無で、その伸びが大きく変わります。
📈 宅建士資格が年収に与える影響
【1. 資格手当】
賃貸・管理業界では、宅建士資格取得者に対して月5,000円~30,000円の資格手当を支給する企業が多いです。年間では6万円~36万円の増収になります。
【2. 昇進・昇給での優遇】
営業所長、エリアマネージャーなどの管理職ポジションでは、宅建士資格を条件としている企業が多くあります。昇進することで、基本給が大幅に上がります。
【3. 転職市場での評価】
業界経験に加えて宅建士資格があると、転職時の提示年収が高くなりやすい。求人企業は「すぐに現場で活躍できる」と評価し、より良い待遇を提示します。
【4. 年収の「頭打ち」を避ける】
資格がないと、実務経験だけでは年収が伸び悩む傾向があります。40代以降、同年代でも「資格あり」と「資格なし」で年収が200万円以上の差がつくケースも珍しくありません。
💡 具体的な試算例
月10,000円の資格手当 + 昇進による基本給20万円→25万円アップの場合:
- 資格手当:年12万円
- 昇進による昇給:年60万円
- 合計:年72万円の収入増
- 10年で:720万円の差
- 20年で:1,440万円の差
これが「宅建資格を取る」ことの長期的インパクトです。
⑥宅建を取得するメリット(専門性 × 年収 × キャリア)
✨ 宅建士資格の6大メリット
【1. 契約の理解が深まる】
民法の基礎から不動産特有の法律(借地借家法、建築基準法など)まで学ぶことで、複雑な契約内容を正確に理解できるようになります。トラブル防止にも直結します。
【2. 法改正に対応できる】
不動産法制は頻繁に改正されます(民法改正、借地借家法改正など)。法律の基礎が分かっていると、改正内容をすぐに理解でき、現場への適用判断が早くなります。
【3. 顧客からの信頼が厚くなる】
オーナー、入居者、管理組合から「法律知識がある専門家」として扱われるようになります。説明の信頼度が上がり、営業成績や顧客満足度が向上します。
【4. キャリアパスが広がる】
PM→営業所長→エリアマネージャー→本部スタッフ、あるいは BM→修繕担当→AM(アセットマネジメント)など、昇進のチャンスが増えます。
【5. 生活全体に役立つ】
自分がマンション購入、賃貸契約、相続手続き、不動産投資をするとき、専門知識があることで不利な条件を避けられます。人生の重要な決断で損をしません。
【6. 他業種への転職も容易に】
宅建士資格は、不動産業以外の業界(建設、金融、保険、一般企業の総務など)でも評価されます。人生100年時代、キャリアの選択肢が広がることは大きな財産です。
よくある質問
PM(賃貸管理)で宅建士は本当に必須ですか?
はい、必須です。宅建業法により、重要事項説明と契約書への記名・押印は宅建士の独占業務で、これを行わずに契約することはできません。これなくしては法的に有効な契約が成立しないため、PM現場では宅建士が絶対に必要です。詳しくは独占業務ページをご覧ください。
BM(ビルマネジメント)でも宅建士を取得する価値ありますか?
法律上は不須ですが、実務上は非常に価値があります。管理組合対応、修繕計画の説明、オーナー折衝など、法律知識が必要な場面が多いです。特に小規模管理会社ではPMとBMを兼務することも多いため、キャリア上の大きな武器になります。昇進や転職でも有利になります。
宅建士資格を取ると、実際に年収はいくら上がりますか?
企業によって異なりますが、一般的には月5,000円~30,000円の資格手当が支給されます。年間で6万円~36万円の増収です。さらに昇進による基本給アップを考えると、10年で数百万円、生涯年収で1,000万円以上の差が出ることもあります。詳しくは資格手当ページをご覧ください。
自分の年代の年収相場を知りたいのですが?
本記事の「④年齢別の賃貸管理業の年収データ」セクションで、年代別にリンクが用意されています。各年代をクリックすることで、詳細な年収統計を確認できます。また、年収統計TOPページでは、全職種の年収相場が比較できます。
業界未経験でも宅建を取得できますか?
もちろんです。宅建試験に受験資格はないため、誰でも挑戦できます。業界経験者なら3~6ヶ月、未経験者でも6~9ヶ月で合格を目指せます。現在働いている方で時間が限られている場合は、隙間時間学習で9~12ヶ月が目安です。
賃貸管理業以外でも宅建士は役に立ちますか?
はい。建設業界、金融機関(銀行・保険)、一般企業の総務・法務部門など、多くの業界で宅建士資格は評価されます。また、自分自身が不動産を購入・賃貸する際にも、法律知識があることで不利な条件を避けられます。人生全体で役立つ資格です。詳しくは宅建の魅力ページをご覧ください。
宅建士資格を取得してから転職できますか?
もちろんです。むしろ宅建士資格があると、転職時の提示年収が高くなりやすいです。求人企業は「すぐに現場で活躍できる」と評価し、より良い待遇を提示します。資格取得後、不動産業界への転職を考えている方は転職支援ページをご確認ください。
❓ さらに詳しく知りたい方は
宅建士資格の全メリットについてはこちらをご覧ください。
⑦あなたの次のステップ
ここまで読んで、「宅建士資格は必要だ」と感じたなら、次は「いつ、どうやって取得するか」を決める段階です。
🎯 宅建士資格を取得するなら
現在の状況を選んでください:
⏰ 合格までの標準的なスケジュール
- 未経験者:講座開始 → 6~9ヶ月 → 合格 → 資格登録(約2週間)
- 業界経験者:講座開始 → 3~6ヶ月 → 合格 → 資格登録(約2週間)
- 仕事が忙しい方:隙間時間学習 → 9~12ヶ月 → 合格
「来年の試験に向けて今から準備」が最も効率的です。